飼い猫が脱走!慌てずに対処するために
猫を飼っていると脱走してしまうことがあります。猫のジャンプ力はすぐれていますし、ちょっとの隙間でも通り抜けるだけのしなやかさも持ち合わせているため、飼い主さんがほんのちょっと油断したスキに外の世界へと出ていってしまうのです。
今回は愛猫が脱走した時にするべきことをご紹介します。愛猫が脱走するだなんて想定したくないとは思いますが、飼い主さんが愛猫の脱走後の行動をシミュレーションできていれば、万が一本当に脱走してしまっても冷静に対処でき早く見つけ出すことにつながります。ネコちゃんの飼い主さんは、ぜひ頭にいれておいてください。
愛猫が脱走してしまったら、まずやるべきこと
愛猫が脱走した時にすべきことは、次の通りです。
①玄関の工夫と持ち物の準備をしてから、近所(半径50?100m)を探しに行く
②警察・近隣の動物病院・保健所に連絡する
③チラシを作成して近所に配ったり、SNSで呼びかける
愛猫が脱走するとどうしてもすぐに探しに行きたくなりますが、一旦落ち着いて準備をしてから探しに出かけましょう。
まず、玄関先に愛猫の好きなエサと、ニオイが付いた猫砂やマットなどを設置します。こうすることで、飼い主さんが探しにいっている間にネコちゃんが帰ってくる可能性を高められます。次に持ち物を準備します。愛猫は外に出て警戒心が高まっているため、捕まえたとしても抱っこして帰ってくるのは難しいかもしれません。必ずキャリーバッグを持って行きましょう。キャリーバッグの中には愛猫の好きなおもちゃやエサ、捕獲の時に愛猫を包むための毛布やタオルを入れておくと捕まえる時に役立ちます。ほか、暗い場所を照らすための懐中電灯や、近所の方に愛猫の特徴を伝えるために見せる写真もあると便利です。
外でネコちゃんを探す際は、まずは半径50mのごく近い範囲に絞ります。車や自動販売機の下、建物と建物の間など、暗くて狭いところに隠れていることが多いので重点的にチェックしていきます。愛猫の名前を呼ぶ際は、大きい声だとかえって警戒させるかもしれないので、いつものトーンで声を出すように気をつけてください。
一度探して見つからなければ、最寄りの交番に届けを出します。それと同時に、近所の動物病院や保健所にも一報を入れましょう。すでに愛猫が保護されている場合がありますし、今後保護された場合にも連絡してもらえます。
なかなか見つからない場合は徐々に範囲を広げていきます。ネコちゃんは1日に100m程度移動するといわれていて日が経つにつれ探しにくくなりますので、脱走初日は捜索に力を入れましょう。2日目以降も見つからないならチラシを作って近隣に配ったり、SNSで呼びかける策も有効です。その際は個人情報の扱いに気をつけましょう。猫探し用に新しくメールアカウントを作成し、そのアドレスを掲載するようにすると安心です。
愛猫を見つけたからといって、すぐに駆け寄るのはだめ!
捜索の甲斐あって愛猫を見つけたとしても、まだまだ注意が必要です。愛猫は不慣れな外の世界で警戒モードに入っており、たとえ飼い主さんであっても急に近寄られるとまた逃げてしまうおそれがあるからです。
愛猫を見つけても駆け寄らない。これをしっかり覚えておいてください。
また、強引に捕まえようとすると引っ掻かれて思わぬケガを負うことがあります。愛猫は引っ掻いたスキにまた逃げるでしょうし、飼い主さんは痛い思いをするだけで良いことがひとつもありません。特に、いわば野良猫状態の愛猫につけられた引っ掻き傷は病院できちんと手当てしてもらないと悪化する可能性があり、飼い主さんへのダメージと愛猫捜索のタイムロスにつながります。
愛猫の姿を見つけて焦る気持ちはわかりますが、ここでもひと息、落ち着きましょう。それから、いつもの声で愛猫の名前を呼びかけながら、お気に入りのエサやおもちゃで安心させます。ゆっくり近づいて、キャリーバッグに誘導して、ようやく捕獲です。
愛猫を無事に連れて帰ってきたら健康チェックと各所に報告を
愛猫とともに無事帰宅したら、いつもと変わった様子がないかしっかりチェックしましょう。身体をかきむしっていないか、お腹を壊していないかなど、細かく観察していきます。愛猫が落ち着いたら、かかりつけの動物病院に連れて行くとさらに安心です。
また、愛猫を探すために連絡していた交番や動物病院、保健所には「見つかりました」との報告を必ずしてください。ほか、掲示したチラシやSNSにも無事に愛猫が帰宅した旨を追記しておくと、気にかけてくださっていた方々もホッとしますので忘れずに行いましょう。
どれだけ飼い主さんが気をつけていても、猫は脱走する時は脱走してしまうものです。とはいえ、普段の生活の中で「ここから愛猫が脱走するかも?」と思える場所を見つけたら、都度対策しておくと脱走の可能性をグンと低められます。「うちの猫はおとなしいから大丈夫」と油断せず、日頃から脱走防止のための工夫をするよう心がけましょう。