犬に食べさせてはいけない食べ物とは? 特に危険な食べ物と対処法
■ワンちゃんが人間の食べ物を食べてしまった!
犬を飼っている人なら、人間の食べ物の中にはワンちゃんに食べさせていけないものがあることをご存知かと思います。
家族で夕食の時や、こたつでデザートを食べている時。愛犬が、なんだかもの欲しそうな目でこちらを見つめてきて、思わず「食べさせてあげたい…!」と思うこともありますよね。「これだったら大丈夫かな?」と迷ったことも、今までにあったのではないでしょうか。
どれだけワンちゃんが欲しそうにしていても、あげる前に一回立ち止まることが大切です。犬にとってダメな食べ物は、人間がよく食べるものだったりするのが怖いところ。うっかり食べさせてしまうと中毒を起こし、最悪の場合死んでしまうケースもあり得ます。
ということで今回は、犬には絶対に与えてはいけない食べ物をご紹介します。
■少量でも食べたら危険な食べ物
少量であったとしても、犬にとって特に危険な食べ物は主に5種類あります。
①チョコレート
②ネギ類
③キシリトール
④ぶどう
⑤鶏肉や魚の骨
どういう理由で、これらの食べ物が危険なのか解説していきますね。
①チョコレート
チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が犬にとって有毒です。テオブロミンはカカオが多く含まれる、ビターなチョコレートやカカオパウダーには特に多く含まれています。
テオブロミンがワンちゃんの体内に入ると興奮したり、下痢や嘔吐を起こしたりします。「チョコレート中毒」とも呼ばれ、最悪の場合だと急性心不全にもつながりかねない危険な症状です。
②ネギ類(玉ねぎ、にんにく、ねぎ、にら、わけぎ、エシャロットなど)
「ネギ類は危ない!」と認識している人は多いと思いますが、盲点なのが「加熱してあってもアウト」という点です。ハンバーグや餃子、ピザ、玉ねぎのお味噌汁など、ネギ類が入った料理は思いのほかたくさんあります。
ネギ類に含まれる成分は、犬の赤血球を壊してしまうので貧血を引き起こします。嘔吐や下痢、黄疸の症状が出たり、無気力になったりします。少ないですが死亡例もあるので、要注意の食べ物です。
③キシリトール
人工甘味料として使用されているキシリトールもワンちゃんにとっては毒となります。キシリトールを摂取した犬は低血糖に陥り、下痢や嘔吐、震えといった症状が出てきます。
ちなみにキシリトールは人間の歯磨き粉にも含まれていることがあります。ワンちゃんのお口のケアは、必ず犬用のケアアイテムを使うようにしてくださいね。
④ぶどう
ぶどうが犬にとってNGであることは近年わかってきたことなので、もしかすると知らない飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。特に皮が危険とされていますが、どの部分が有毒なのかはハッキリしていないので、皮を外した果実の部分であろうと与えてはいけません。レーズンもNGです。
ワンちゃんがぶどうを食べると、おしっこの量が減ったり、元気がなくなったりすることもあります。ひどい場合は急性腎不全を起こす可能性があり大変危険です。
⑤鶏肉や魚の骨
鶏肉の骨や、サバやブリなど大きめの骨がある魚もワンちゃんにとっては危険です。特に鶏肉の骨は裂けて尖った状態になりやすいため、内臓に刺さってしまう可能性があります。
夕食で鶏の手羽先をおいしくいただいた後、ダイニングテーブルに食べ残しの骨が置きっぱなしになっていたのを愛犬が食べてしまった…ということも大いに考えられます。人間が食べた後始末は早めに行うなど、ワンちゃんが勝手に食べてしまうケースにも十分に注意しましょう。
■愛犬が食べたらダメなものを食べてしまったら、すぐに獣医さんへ
気をつけていたとしても、愛犬が食べたらダメなものを食べてしまうシーンは起こりうるもの。もし、先ほどご紹介した危険な食べ物を食べてしまったら、できるだけ早くかかりつけの獣医さんの元へ連れていきましょう。
「まずは吐かせるのが良い」と書いているサイトも中にはありますが、たとえば鶏の骨を飲んでしまっている場合ですと、吐かせようとすることがかえって逆効果になりかねません。ワンちゃんが飲み込んでしまったものや、ワンちゃんの個体差によって対処法は変わってきます。自分で何か手を打つ前に、とにかく獣医さんに相談です。
どうしても飼い主さんは慌ててしまう場面ではありますが、食べてしまった時間がわかれば把握しておくことと、食べてしまったものを持参できるとベストです。これらは診断の際に役立ちますので、頭の片隅に入れておいてくださいね。
■家族みんなで危険な食べ物を把握しておこう
今回紹介した食べ物は、人間の世界にはありふれたものばかりです。そのため、あなただけではなく家族みんなが、犬にとって危険な食べ物を知っていることが大事になってきます。
人間がワンちゃんに良かれと思ってあげてしまうパターンもあれば、食べこぼしを拾い食いしてしまったり、おやつで食べたチョコレートの残りを置きっぱなしにしたりするパターンもあります。あらゆるケースが考えられるからこそ、家族みんなが気をつけていきたいものです。愛犬の健康を守るために「犬にとって食べさせてはいけない食べ物」をぜひ覚えておいてくださいね。