VOL.8

最近太ったかも?気になる猫の肥満の基準・原因


冬になると、どうしても寒くてあまり動きたくなくなりますよね。それはネコちゃんも同じで、暖かいところでぬくぬく過ごすことが多くなります。すると気になってくるのが「肥満」です。
そういえば最近、愛猫がちょっと太くなったような…?と心当たりのある飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。今回は猫の肥満について、基準や原因・対策をご紹介します。

猫はどのくらいから「肥満」なの?


猫にはさまざまな種類があり、大きさも個体差があるので、一概に「◯kgあるから肥満」というような基準はありません。代わりに「BCS(ボディコンディションスコア)」を参考に、肥満度をセルフチェックします。

BCSスコアは次の通り、5段階に分かれています。

・BCS1 削痩(さくそう)
肋骨や骨盤が簡単に見えていて、頸部とウエストのくびれが細く、痩せすぎの状態

・BCS2 低体重
皮下脂肪はわずかにあるが肋骨や骨盤を簡単に触れて、上から見るとウエストは少しくびれている状態

・BCS3 理想体重
肋骨は触れるが見えなくて、上から見るとウエストはくびれている状態

・BCS4 過体重
肋骨上に少し脂肪が付いているがまだ肋骨を触れて、腹部は少し丸みのある状態

・BCS5 肥満
肋骨と背骨上に脂肪が厚く付いているため肋骨には触れられなく、腹部は丸くて、ウエストのくびれはほぼ無い、肥満状態

愛猫のBCSはいくつでしょうか。理想のBCSは3であり、もし1?2・4?5の状態であれば、何らかの手を打つ必要があります。

猫が太ってしまうとどうなる?


肥満状態のネコちゃんには、次のような症状があらわれることがあります。

・関節炎やヘルニア
・糖尿病
・呼吸器疾患、心疾患

ネコちゃんの身体が重くなることにより、関節に負荷がかかり関節炎を起こすリスクが増えます。また、糖尿病や呼吸器などの疾患も引き起こしかねません。

人間と同じように、ネコちゃんにとっても、肥満はやはりあなどれないものなのです。

猫が太る原因と対策


ネコちゃんが太ってしまう主な原因は5つあります。

①運動不足
②食べ過ぎ
③去勢手術をした
④中高齢
⑤何らかの病気がある

ひとつずつ、原因とその対策をご紹介します。

①運動不足
冒頭でも触れた通り、冬になって寒くなるとどうしても活動量が減ってしまいがちです。そのため、まずは室温を愛猫が快適に過ごせる程度に設定し、愛猫が室内をうろうろできるようにしましょう。

その上で、ネコちゃんにとって大切なのは「昇り降りできる環境」です。ネコちゃんは、ただ単に広いだけの部屋ではあまり運動をしない傾向にあります。本棚やキャットタワーなど、高さのある家具があると運動量がアップします。お部屋の中を見直して、愛猫が安全に昇り降りできるものがあるか確認してみてください。

②食べ過ぎ
ネコちゃんは餌を少量ずつ、何回かに分けて食べる習性があります。そのため置き餌にして愛猫の好きなタイミングで食べられるようにしている飼い主さんが多いと思います。ただ、お皿が空いたら補充しておく方法だと、いつの間にか食べ過ぎに陥っていることがあります。
置き餌にする場合は、1日に愛猫に与える餌の量の上限を決めておきましょう。上限まで食べたら、その日はもう餌を補充しないようにするだけで、食事量を調整することが可能です。

また、ダイエット用の餌に変えるのもひとつの手です。新しい餌にする時は、すぐに全量を新しくするのはNG。今の餌に少しずつ新しい餌を混ぜていくことで、徐々に慣らしてあげてください。

③去勢手術後
去勢手術をすると代謝のバランスが変わるので、今までと同じライフスタイルであっても太っていくことがあります。
そのため、術後しばらくは愛猫の体型に変化がないか、注視しておくと良いです。もし体重が増えていくようなら、運動量を増やしたり餌を変えたりして調整していきましょう。

④中高齢
ネコちゃんの中高齢期は一般的に7歳ごろからとされています。この頃になると、ゆるやかに代謝が落ちていくものなので、今までと同じ量を食べていると肥満につながってしまいます。
愛猫が中高齢期に入ったら、ヘルシーな餌に変えたり量を減らしたりすることで、今まで以上に食生活を気にかけてあげましょう。

⑤何らかの病気がある
甲状腺機能などに問題があるために太るケースや、関節に病気があることで運動量が減った結果太ったケースなど、肥満状態の時にはすでに何らかの病気が隠されていることもあります。
これといった原因が思い当たらないままに愛猫が太ってきたようであれば、かかりつけの獣医さんで健康診断を受けましょう。

理想的な体型をキープして、健康的に暮らせるようにしよう


ネコちゃんにも、人間と同じく理想体重があります。肥満状態はさまざまな病気を招く一因になるので、痩せすぎず、太り過ぎず、適正な体重をキープしておきたいものです。
ぜひBCSを基準にして、愛猫の体型を定期的に観測してください。そしてちょっと太ってきたようであれば早め早めに手を打ちましょう。愛猫と長く暮らすためにも、理想的な体型維持を心がけたいものです。