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「マイクロチップ」とは?装着するメリット・デメリット


「マイクロチップ」をご存知でしょうか?もしかすると最近は飼い主さんの間で話題になっているかもしれません。愛犬・愛猫のためにも着けたほうが良いように思いながらも、なかなか踏み切れないでいる方も多いのではないでしょうか。ということで今回は、ペットに装着するマイクロチップについてご紹介します。

マイクロチップとは


マイクロチップとは、犬猫をはじめとしたペットの動物の首元に埋め込む小さなチップのことです。海外ではすでに使用されています。

日本でも2019年に、ペットショップに対して、今後販売する犬猫へのマイクロチップ装着が義務付けられたことで話題になりました。個人で飼っている犬猫への装着は努力義務なので、着けていないからといって違反になるわけではありませんが、装着することをおすすめされている状況です。

マイクロチップは円筒形をしていて、直径約2mm・長さ約8~12mmというかなり小さな器具です。専用の読み取り機を使うことでマイクロチップのデータを読み取るしくみになっています。このチップの中には次の情報を登録できます。

・マイクロチップの番号
・飼い主の名前、住所、連絡先などのデータ

マイクロチップを装着する時は獣医さんにお願いします。注射形式で装着するので大掛かりな手術は必要ありません。また、マイクロチップは単なるチップであり、電池などのバッテリーも不要です。チップを定期的に交換する必要もなく、一度埋め込めば一生をそのままで過ごせます。飼い主さんと一緒に引っ越した時だけ、登録情報の変更が必要になる程度です。

マイクロチップを装着するメリット・デメリット


マイクロチップを装着するメリットは「身元証明」です。前回のコラムでも触れましたが、愛犬・愛猫が迷子になっても、マイクロチップが入っていれば身元がわかるので、飼い主さんの元に戻ってきやすくなります。

先の東日本大震災では飼い主さんとペットが離れ離れになるケースが多発しました。首輪だけではワンちゃん・ネコちゃんの身元がわからないため、失踪届を出したとしても探すのは困難です。そのため、大規模な災害をはじめとした不測の事態への対策も含めて、マイクロチップは重要であると考えられます。


一方で、マイクロチップを装着するデメリットとして挙げられるのが「体内に埋め込むことへの不安」です。愛犬・愛猫の身体にチップを埋めることに抵抗感を抱く方は多いのではないでしょうか。

マイクロチップによって健康面で起きたトラブルについては、現状国内では報告されていません。マイクロチップは主に首元に埋め込みますが、外から触っても異物感はないことがほとんどです。チップは生体適合ガラスで包まれているので、アレルギー反応も起こさないとされています。

ということで現時点では、マイクロチップを埋め込んだからといって愛犬・愛猫の健康に影響が出ることは考えにくいです。とはいえ新しいテクノロジーではあるので、マイクロチップにまつわる情報にはアンテナを張っておいたほうが良いでしょう。

また、マイクロチップのもうひとつのデメリットは「装着したのに、情報を読み取ってもらえない可能性がある」ことです。

マイクロチップはかなり小さなチップなので、状況によってはチップの場所が判別できず、読み取り機での情報読み取りに失敗する場合があります。そのため、迷子対策としてマイクロチップを着けるのであれば迷子札との併用が最善策だと考えられます。迷子札だけだと何かのきっかけで脱落する可能性があるので、両方を併用することが重要です。

マイクロチップ装着にかかる費用


マイクロチップを装着するには以下の費用がかかります。

・マイクロチップ登録料 1,050円(令和元年10月現在)
・マイクロチップ埋め込み 数千円程度

埋め込みは医療行為のため、獣医さんに依頼します。動物病院によって価格設定が異なりますので、まずはかかりつけの獣医さんに相談してみましょう。

最近は自治体がマイクロチップ装着を推進しており、申請すれば助成金が出る可能性があります。お住まいの自治体が対応しているかどうか、チップを装着しに行く前に調べてみてください。

迷子防止のためにも、前向きに検討してみては


マイクロチップを装着すれば、何らかの理由で愛犬・愛猫がいなくなってしまっても探しやすくなります。万が一保健所や遠く離れた場所で保護されたとしても、チップを読み取ってもらえれば飼い主さんの元に帰ってこれるのです。

迷い犬・迷い猫を減らすために、マイクロチップ装着を推奨している自治体もあります。愛犬・愛猫とずっと一緒にいるためにも、マイクロチップを前向きに検討してみてはいかがでしょうか。