猫の肉球ってお手入れしてあげたほうがいい?
ネコちゃんのかわいらしいところは山ほどありますが、中でも人気なのが「肉球」です。ぷにぷにとした触り心地はとても気持ちいいですよね。
ところで、愛猫の肉球は何かケアしてあげていますか?特に冬は人間にとって乾燥が気になる季節ですが、ネコちゃんの肉球も乾燥することがあります。また、じつは肉球の温度が健康状態の目安になることもあるのです。ということで、今回は猫の肉球についてご紹介していきます。
そもそも、肉球って何のためにあるの?
猫の肉球は「かわいい」だけではなく、ネコちゃんにとって重要な役割を持っています。
・足音を立てずに歩くため
・高いところからジャンプする時の衝撃を和らげるため
・走ったり、高いところに登る時に滑らないようにするため
・マーキングするため
ネコちゃんに優雅なイメージがあるのは、肉球が足音を立てさせないからかもしれませんね。また、キャットタワーや本棚など、高いところを軽やかに昇り降りできるのは肉球があるからこそできる技なのです。
肉球のお手入れとは
肉球は、基本的には猫自身がグルーミングする時に一緒に舐めてケアしているので、飼い主さんがこまめにお手入れしてあげる必要はありません。
とはいえ飼い主さんが肉球のお手入れをしてあげたいケースもあります。主に2パターンです。
①カサカサと乾燥している時
②肉球の周りの毛が伸びている時
カサカサと乾燥している時は、放っておくとひび割れを起こすことがあります。肉球は毎日のようにネコちゃんの体重がのしかかるパーツなので、そこがひび割れていると歩くのがつらくなってしまいます。
肉球が乾燥してきたら、猫用のクリームを塗って保湿してあげましょう。この時、人間用のハンドクリームなどを代用するのはNGです。人間用のクリームにはハーブや香料などの成分が入っていて、ネコちゃんにとっては良くないからです。日頃から猫用の肉球クリームを常備しておくと安心ですね。
また、室内の乾燥にも注意です。加湿器を使って湿度を適正に保つことも、愛猫の肉球を守ることにつながります。
肉球の周りの毛が伸びていると、毛を猫自身が踏んでしまうため、肉球の持つ滑り止め効果が弱まってしまいます。結果として転倒などでケガをしてしまったり、関節に負荷がかかることで関節炎を引き起こしたりします。
毛の長い猫種の飼い主さんは、毛が肉球にかぶさっていないか定期的にチェックしてあげてください。もし毛が伸びていたら、ハサミでカットしてあげましょう。ハサミが怖い場合はペット用のバリカンを利用するか、トリマーさんに頼むのも手です。
肉球がいつもより冷たい・熱い時の理由
肉球を触っていると、時には普段よりも冷たかったり、熱かったりする場合があります。
まず、猫の体温は38.5℃が一般的な平熱といわれています。人間の体温よりは高めであることを念頭に置いておきましょう。また、部屋を歩き回った後の肉球は、床に触れたためにひんやりと冷たくなりがちです。その上で、愛猫の肉球の温度がいつもと違う気がしたら、次のような理由があるかもしれません。
●肉球がいつもより冷たく感じる場合
愛猫の肉球がいつもより冷たい場合は注意が必要です。肉球が冷えるケースは主に次の3パターンが考えられます。
①床が冷たかったから
②シャンプー後に身体を冷やしてしまったから
③ケガや病気をしているから
①の「床が冷たい」という話は先程も触れた通りで、ネコちゃんが部屋を歩き回った後だと冷たい床に影響されて肉球が冷えることがあります。この反応は正常なもので、基本的にはしばらくするとだんだん温まってくるものです。しばらく様子をみて、もし温まらないようであれば、他の原因が考えられます。
②の「シャンプー後」は身体を冷やしてしまいやすい注意ポイントです。猫は寒さに弱いので、自宅でシャンプーをした後はしっかりと拭いてあげて、すぐに暖かい部屋に移動しましょう。シャンプー後に肉球が冷えている時は、身体全体も冷えていることが多いです。ともすると低体温を引き起こすので気をつけましょう。
③の「ケガ・病気」が一番怖いところです。肉球が冷たい場合、血栓ができていて足先まで血流が回っていないことも考えられます。肉球の色が変色していたり、歩きにくそうにしている様子がみられれば、すぐにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
また、ドアに足を挟んだり、ジャンプの着地を失敗してぶつけていたりして、飼い主さんの気づかぬうちにケガをしているケースもあり得ます。ケガをしている時は、触ると痛がったり、やはり肉球が変色していたりしますので、この場合もすみやかに獣医さんのもとへ連れて行きましょう。
●肉球がいつもより熱く感じる場合
肉球が熱い場合は、大体の場合は眠いことがほとんどです。人間が眠くなると手や足が暖かくなるのと同じことが猫にも起きているだけなので安心してください。
一方で、もし肉球が熱くて愛猫がぐったりしている場合は、熱を出していたり熱中症にかかっている可能性があります。具合が悪そうに見えたら、ためらわずに獣医さんのところへ行きましょう。
肉球に癒されつつ、日頃からしっかり観察しておこう
ネコちゃんの肉球は、じつは猫にとって大切なパーツです。ぷにぷにしていて、人間よりも少し温かいのが理想的な状態です。肉球で愛猫の健康状態がわかる場合もあるので、肉球を触る時は普段から「いつもの肉球はどんな感じか」意識しながら触ってあげてくださいね。適度にケアして、癒しの肉球をいい状態でキープしましょう。