犬の「無駄吠え」が気になる…。吠えてしまう理由と対策
今まではずっとおとなしいタイプだったのに、最近何かと愛犬が吠えるようになった…。いわゆる「無駄吠え」が気になるようになってきた飼い主さんは多くいらっしゃいます。ワンちゃんが吠えると結構な音量になることから、近所迷惑を気にして「早く無駄吠えを辞めさせたい!」と焦っている方もいるかもしれません。
今回は「無駄吠え」について、吠えてしまう理由や吠えグセがついてしまった場合の対策方法をご紹介します。
そもそも犬に「無駄な吠え」はない!
ワンちゃんがやたらと吠えるのを「無駄吠え」と表現する場面をよく見かけますが、ズバリ申し上げますと、ワンちゃんにとって「無駄な吠え」はありません。
愛犬が吠えるのは、飼い主さんに何かを伝えたいからです。
ワンちゃんにとって「吠える」ことは、人間が「喋る」ことと同じです。人間からしてみれば、ワンちゃんの「ワンワン!」は言葉として聞こえてこないので意味がないように感じられてしまいますが、愛犬は何かのメッセージを「ワンワン!」に込めて、飼い主さんに頑張って知らせようとしています。
そのため、吠えるのがうるさいからという理由だけで頭ごなしに辞めさせようとするのは意味がありませんし、かえって逆効果となります。
愛犬が吠えるようになったのなら、そこには何か吠えなければならない理由があるのです。
犬が吠えてしまう理由とは
犬が吠える理由は、大まかに分けて4つに分類されます。
①何かを要求したい
②何かに警戒している
③何かに興奮している
④体調が悪い
どういうことなのか、ひとつずつご紹介していきます。
①何かを要求したい
たとえば「お腹がすいたからおやつが欲しい!」「ケージから出して欲しい!」といった、何か要求がある時に吠えることがあります。
②何かに警戒している
荷物の配達の人が来たり、台風で風が強くて窓がガタガタ鳴っていたりと、普段とは違うことが起こった場合にも吠えます。不安からくる吠えであることが多いです。
③何かに興奮している
遊んでいて、あまりの楽しさに興奮が高まって吠えることがあります。また、散歩中にすれ違った他の犬に対して、一緒に遊びたくて興奮して吠えたりもします。
④体調が悪い
どこか痛かったり、苦しかったりするときも吠えることがあります。この場合の吠え方はいつもと様子が異なり、声の高さや大きさが違っていたり、表情が辛そうだったりします。
吠える機会を減らすためにできること
犬が吠える時の理由はさまざまなので、まずは愛犬の様子を観察して「何に対して吠えていそうか」を突き止めていく必要があります。その上で、理由別の対処法を実践していくと、吠える機会を減らすことにつながっていきます。
①何かを要求したくて吠えるのを減らしたい時は
何かを求めて吠えるクセのあるワンちゃんの場合は、これまでの生活スタイルで学んだ経験則が元になっていることが多いです。
吠えるのを静めたくて、おやつをあげたりしていませんか?飼い主さんにしてみれば「おやつをあげたら静かになった」という出来事でしかありませんが、犬にとっては「吠えれば、おやつをもらえる」という経験則としてインプットされてしまうのです。これを繰り返すと人間と犬の主従関係にも変化が生じ、犬が優位に立ち始めてしまうので言うことを聞きにくくなることにもつながります。
まず飼い主さんにできることは、吠えたらすぐに要求を叶えるのではなく、「おすわり」など別の命令をして言うことをきかせることです。あくまで主導権は飼い主さん側にあることをわからせてから、おやつをあげたり外に出したりしてあげましょう。
また、吠えていない時でも、飼い主さん側のペースを中心とした生活リズムを崩さないことが重要です。人の方が立場が上であると理解させることが、結果として吠える機会を減らすことになります。
②何かに警戒していて吠えるのを減らしたい時は
警戒心から吠えている時は、不安の種を取り除いてあげましょう。ケージなどの安心できる場所に移動して、しばらくの間寄り添ってあげると効果的です。
時には、恐れる必要のないことに対して吠えているケースがあります。もし危険ではない事柄に対して警戒モードで吠えるのを繰り返すようであれば、あえて避けたりせずに慣らしていくのもひとつの手です。この場合は愛犬に大きなストレスがかかることがあるので、様子をよく見ながら取り組みましょう。
③何かに興奮していて吠えるのを減らしたい時は
興奮して吠えている時は、興奮の元になったものから距離をおいて落ち着かせましょう。吠えたままの状態で何も手を打たずにいると、①のケースと同様に「吠えればいい」と思わせてしまうループにつながります。
とにかく、吠えている状態でワンちゃんの要望が叶うことのないように気をつけていきましょう。
④体調が悪い時は
体調が悪いのを伝えたくて吠えているのかもしれない、と感じた時はすみやかにかかりつけの獣医さんに連れていきましょう。
結果として吠えていた理由が体調不良ではなかったとしても、獣医さんに愛犬が吠えることを相談できる機会になります。
「具合が悪いのかもしれない」と少しでも感じたのなら、ためらわずに連れていくことが大切です。
吠えるのを辞めさせるのではなく、吠えなくて済む工夫を
愛犬が吠える時は、必ず何か理由が隠されています。これまでの生活習慣で吠えるようになってしまったかもしれませんし、何か怖いものがあるからかもしれません。
まずは愛犬と過ごす時間を増やしてみましょう。その中で様子をよく観察してみると、吠えている原因を見つけることにつながっていきます。
もしお手上げということであれば、私たちペットシッターにもお役に立てることがあります。愛犬が吠えなくて済む工夫を、一緒に見つけていきましょう。