VOL.17

愛犬をリラックスさせたい!上手なブラッシングのコツ


愛犬のケアに欠かせない「ブラッシング」。中には嫌がるワンちゃんもいますが、ひとたびブラッシングに慣れてしまえば、うっとりとした表情でくつろいでくれるようになるものです。

今回は上手にブラッシングするためのコツをお伝えします。ぜひ実践していただき、愛犬とのブラッシングタイムをより一層大切な時間にしていただけたら何よりです。


ブラッシングをする目的


そもそも、なぜワンちゃんにはブラッシングが必要なのでしょうか。

ブラッシングは愛犬の毛並みを整えるだけが理由ではありません。じつはいくつもの目的が隠されています。ひとつずつ理解しておきましょう。

・汚れやノミ、ダニを見つけ取り除く
・皮膚の状態を確認する
・いらない毛を落とし、毛玉などを防ぐ
・マッサージ効果でリラックスさせる


人間と違って、ワンちゃんの身体には全体を覆うように毛が生えています。そのため毛の間には遊んでいた時に付いた汚れや、お散歩で草むらに入った時に付いたノミなどが入り込んでいることがあります。それらを見つけて取り除くことが、ブラッシングの大きな目的のひとつです。この時、皮膚の状態も一緒に確認し、飼い主さんが見ていない間にケガなどで痛めているところがないかどうかもしっかり見ていけると安心です。

ワンちゃんの毛は日々生えかわっているので、日頃のブラッシングで抜けた毛をしっかり落とすことも、ブラッシングの大切な目的です。毛が残っていると、生えてきた毛に絡まって毛玉ができてしまったり、通気性が悪くなることで皮膚の炎症を引き起こしたりする原因となります。また、ワンちゃんの毛は春と秋に生え変わります。春になると暑い夏を涼しく過ごすために密度の少ない夏毛を生やし、秋になると寒い冬に備えて保温できるよう冬毛を生やすのです。そのため春と秋はよく毛が抜けますので、念入りなブラッシングが必要です。

ブラッシングをするとブラシの程よい刺激が愛犬にマッサージ効果をもたらします。気持ちがどんどん落ち着いていき癒されていく愛犬の姿は、飼い主さんにとっても嬉しく感じられるひとときです。

愛犬がブラッシングを好きになってくれれば、飼い主さんは愛犬のケアができて安心ですし、愛犬はリラックスできるので双方にとってメリットしかありません。そんな好循環に入るためにも、ブラッシングの3つのコツをぜひ覚えていただきたいです。


コツ①まずはブラシに慣れてもらう


ブラッシングすれば気持ちよくなるのだから、とりあえずやってみれば大丈夫だろう。そう思うかもしれませんが、それではうまくいかないかもしれません。警戒心の強いワンちゃんだとブラシという未知の道具を不安がる可能性がありますし、過去にブラッシングで嫌な思いをしたワンちゃんだとブラシ自体を嫌がることがあるのです。

愛犬がブラシに抵抗感を持っていると感じたら、日々ちょっとずつ近づけていき見慣れてもらうというステップを踏むとよいでしょう。まずはブラシに慣れてもらうことが、快適なブラッシングへの第一歩です。


コツ②毛並みにそって、ちょうどいい力加減でブラシを動かす


いよいよブラッシングするとなったら意識したいのが「毛並みの向き」と「力加減」です。

ワンちゃんは毛並みにそってブラッシングされるのを好みます。そのため、首周りから胴体方向、胴体から足方向へと流していくとだんだんリラックスしてくれます。汗をかきやすいわき下付近や後ろ足の付け根付近もブラッシングすると気持ち良さそうにすることが多いです。ぜひ試してみてください。

また、力加減も大切なポイントです。自分がマッサージを受けている時のことを想像していただきたいのですが、あまりに強く揉まれると痛くて飛び上がってしまいますよね。ワンちゃんも同じです。愛犬のいらない毛を落とすのに夢中になると、ブラッシングする手に力が入りがちになりますので特に意識しておきたいところです。愛犬が気持ち良さそうにしてくれる力加減を見極めて、手を動かしていきましょう。

ちなみに、毛並みに逆らってブラッシングしたり、必要以上に力強くブラシを当ててしまったりすると、愛犬に「ブラッシングは痛いから嫌だ」と思わせてしまいます。一度嫌がられてしまうと、途端に次回以降のブラッシングがしにくくなるので気をつけましょう。


コツ③散歩の後、必ず毎日ブラッシングする


ブラッシングを散歩の後のルーティンにしてみましょう。というのも、散歩の後はワンちゃんの気持ちが満たされていて、ブラッシングを受け入れてくれる可能性が高まるからです。散歩にあまり連れ出さない小型犬の場合は、遊び終わった後など、毎日のお楽しみの後をブラッシングタイムと決めます。そして毎日欠かさずブラッシングを行いましょう。

「ブラッシングを毎日する必要があるのか」と疑問に思うかもしれませんが、むしろ毎日ブラッシングしておけば、1回あたりのブラッシングにかかる時間を短くできます。散歩後の汚れもすぐに落とすことができますし、毎日ブラシを通しておけば複雑な毛玉もできにくくなります。ブラッシングに抵抗があるワンちゃんも、毎日散歩とセットでルーティン化されれば言うことをききやすくなりますので、短時間でいいので毎日ブラシを当ててあげてください。慣れてきたら徐々に時間を伸ばしていくと、嫌がられずに済みます。

ブラッシングはワンちゃんにとって大切なケアのひとつです。「ブラッシングは気持ちいい」と理解してもらうまでが大変ですが、3つのコツを実践していれば、ブラッシングを嫌がらずに受けてくれる日がきます。気長に取り組んでいきましょう。